暑い日が続いておりますが、熱中症にはお気を付けください。
暑さ寒さで環境が変わると、人間の心というものはつい弱気になってしまい、あっちへふらふら、こっちへふらふらと、思いがけず、道に迷ってしまうものです。
そんな時はこの禅語を思い出しましょう。
吾道一以貫之(わがどういつをもってこれをつらぬく)。
もとは孔子の書いた論語の言葉です。
孔子が弟子の曽子に「わたしの(説く)道は、一つのもので貫かれているのだ」と教えます。
曽子は「はい。わかります」と答えました。
孔子が部屋を出て行くと、他の門人たちが曽子にたずねます「どういう意味ですか?」と。
「先生が説く道は、忠恕(ちゅうじょ)にほかならないのだ」と曽子は皆に教えました。
※忠恕→まごころを尽くす、思いやる心。誠心誠意。
吾道一以貫之(わがどういつをもってこれをつらぬく)。
「我が道の一」とは単純に、ただ一つの事だけに打ち込む、という意味ではありません。
目の前の一つ一つのこと全てを、誠心誠意、大切に、全力で生きる、それが「一」を貫くということなのです。
仕事をするとき
家事をするとき
食事のとき
そうじをするとき
洗濯をするとき
遊ぶとき
休むとき
眠るとき
あっちへふらふら、こっちへふらふら、よそ見運転は止めましょう。
否、あっちへふらふら、こっちへふらふらも、誠心誠意全力で行えば、正しい道に変わります。
「一」をもってこれを貫きましょう。
われわれは常に人生という大きな道を進んでいます。
しかし、その道は一本の大道だけで成立しているわけではありません。仕事をする、料理する、ごはんを食べる、そうじする、遊ぶ、一つ一つの小さな道が集まって、大きな大きな自分の道になっているのです。
それに気づかねばなりません。
自分の前に現れる一つ一つの小道、その一つ一つの道を、一(誠心誠意)をもって貫いて、楽しみながら大切に、全力で進んでいきましょう。
道を楽しむと書いて「道楽」です。
どうせ進むなら、楽しく進みましょう。
参考文献
迷いが消える禅のひとこと
サンマーク出版 (2018/11/13)
細川晋輔(著)
★おすすめ!