途中に在って家舎を離れず(とちゅうにあってかしゃをはなれず)。
私たちは常に「途中」を生きています。
仕事をするとき、勉強をするとき、運動するとき、旅行、通院、療養、リハビリテーション。全て人生の途中なのです。
一方、「家舎」とは、最もくつろいで自分自身でいられる居場所、「我が家」のことです。
「途中に在って家舎を離れず」とは、どんなときでも常に、「我が家」にいるように、くつろいで、安心して生きていく、ということなのです。
人生とは不確かで、何が起こるかは分かりません。
しかし、分からないからこそ、未来などあまり考えすぎず、堂々と自分の家にいる気持ちで「安心無事」に、くつろいで過ごしてしまえばいいのです。
「途中に在って家舎を離れず」
この禅語もまた、「一日一日を大切に生きるためのコツ」を示されているのです。