第15回 喫茶去


 

令和元年6月2日、「H1法話グランプリ」なるものが開催されました。

 

宗派を超えて集まった僧侶たちが、各々「とっておきの法話を披露する」という素晴らしいイベントです。

 

「もう一度、あいたい!」と思った僧侶の方に投票し、「また会いたい!お坊さん・グランプリ」を選びます。

 

H1法話グランプリの様子はYouTubeでいつでも観ることが出来るので、興味がある方はぜひ視聴してみてください。


※下にリンクが在ります。


さて、H1法話グランプリの中で(我らが)臨済宗の和尚さまが、喫茶去(きっさこ)という禅語についてお話しされた場面がありました。

 

今日はこの和尚さまの話を参考に、喫茶去について法話をさせていただきたいと思います。


 

さて、禅の言葉で有名なモノに喫茶去という言葉があります。

 

喫茶店の「喫茶」に、過去の去、去るという「去」です。


……

………

 

「苦しい、苦しい…」と、色々苦しんでいた人が、お坊様に相談に行きました。

 

するとお坊様は「喫茶去」と、お茶を入れて差し出してくれました。

 

「喫茶去(お茶を飲みなさい)」



これがどういう意味かと言うと、

 

私たちはよく、「つらい」とか「不安」とか「悲しい」とか、

 

苦しみに捕らわれてしまいます。

 

苦しみに捕らわれるとそれが連鎖し、どんどん良くない事を考えてしまう。

 

つらい、しんどい、なぜ自分がこんな目に、逃げ出したい…と、

 

どんどん気分が落ち込んでしまう。

 

その苦しみの連鎖、苦しみの流れを打ち破るのが、この喫茶去なのです。

 

「苦しい」という思いはとりあえず忘れて、お茶を飲みなさい。

 

お茶を飲むことに一生懸命集中する。

 

飲んでるときは苦しみを忘れる。

 

 

「ほっと一息ついてみる」

 

 

そして一息ついた後には、

 

もう一度苦しみを思い出さないよう、

 

考えるのをやめて、

 

すっぱりと忘れ去る。

 

 

一度落ち着いた心なら、それが出来るはずです。

 

苦しい、苦しい、という思いが巡りそうになったときは。

 


ーー喫茶去。



お茶を飲んで。気分転換しましょう。



ちなみに英語には「coffee break」という小休憩を表す言葉があります。

 

喫茶去がお茶で苦を流し去るのに対して、こっちはコーヒーでブレイク(破壊する)ですね。

 

偶然の一致でしょうか?

 

 

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H1法話グランプリ ~エピソード・ZERO~