令和元年6月2日、「H1法話グランプリ」なるものが開催されました。
宗派を超えて集まった僧侶たちが、各々「とっておきの法話を披露する」という素晴らしいイベントです。
「もう一度、あいたい!」と思った僧侶の方に投票し、「また会いたい!お坊さん・グランプリ」を選びます。
H1法話グランプリの様子はYouTubeでいつでも観ることが出来るので、興味がある方はぜひ視聴してみてください。
※下にリンクが在ります。
さて、H1法話グランプリの中で(我らが)臨済宗の和尚さまが、喫茶去(きっさこ)という禅語についてお話しされた場面がありました。
今日はこの和尚さまの話を参考に、喫茶去について法話をさせていただきたいと思います。
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さて、禅の言葉で有名なモノに喫茶去という言葉があります。
喫茶店の「喫茶」に、過去の去、去るという「去」です。
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「苦しい、苦しい…」と、色々苦しんでいた人が、お坊様に相談に行きました。
するとお坊様は「喫茶去」と、お茶を入れて差し出してくれました。
「喫茶去(お茶を飲みなさい)」
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これがどういう意味かと言うと、
私たちはよく、「つらい」とか「不安」とか「悲しい」とか、
苦しみに捕らわれてしまいます。
苦しみに捕らわれるとそれが連鎖し、どんどん良くない事を考えてしまう。
つらい、しんどい、なぜ自分がこんな目に、逃げ出したい…と、
どんどん気分が落ち込んでしまう。
その苦しみの連鎖、苦しみの流れを打ち破るのが、この喫茶去なのです。
「苦しい」という思いはとりあえず忘れて、お茶を飲みなさい。
お茶を飲むことに一生懸命集中する。
飲んでるときは苦しみを忘れる。
「ほっと一息ついてみる」
そして一息ついた後には、
もう一度苦しみを思い出さないよう、
考えるのをやめて、
すっぱりと忘れ去る。
一度落ち着いた心なら、それが出来るはずです。
苦しい、苦しい、という思いが巡りそうになったときは。
ーー喫茶去。
お茶を飲んで。気分転換しましょう。
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ちなみに英語には「coffee break」という小休憩を表す言葉があります。
喫茶去がお茶で苦を流し去るのに対して、こっちはコーヒーでブレイク(破壊する)ですね。
偶然の一致でしょうか?