第6回 落ち葉の話


 

ある老師が弟子を連れて庭を歩いていました。

 

風に吹かれ、落ち葉がヒラヒラと庭に落ちてきます。

 

老師はその落ち葉を拾って、ふところに入れました。

 

それを見て弟子は言いました、

 

「老師、おやめください。落ち葉はのちほど、誰かにまとめて拾わせますから…」

 

それを聞いて老師は、

 

「馬鹿者! のちほどで庭がキレイになるか! 今一枚拾えば、その分だけ庭がキレイになるのじゃ!」

 

と、弟子を一喝しました。

 

 

人間はつい、あとであとでと、物事を後回しにしてしまいます。そうして後回しにしているうちに、仕事はたまり、手をつけるのもおっくうになっていきます。

 

後に回して計画が予定通り進むとも限りません。

 

予想外の仕事が入るかも知れませんし、雑にやらなければ間に合わない事態におちいるかも知れません。

 

目の前にある事は、今、この瞬間、やってしまった方が良いのです。

 

「のちほど、まとめて」ではなく、「今、一つ一つ」。

 

皆さんも「今、一枚拾えば、その分だけ庭がキレイになる」という言葉を忘れずに、日々を過ごしていただければと思います。

 

 

 

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