古老の話によれば、
群雄割拠した戦国時代、かば島(中ノ島と呼ばれ、戸畑と若松の間にあったが今は存在しない)の城主森氏が菩提寺として、どこまでも白砂青松の続く景勝の地、川代の浜に薬師如来を本尊とする大伽藍を建立しました。
東光寺の創建です。
これが六百年ほど前の事であります。
何時の時代か寺は全焼し古文書は悉く消失してしまいましたが、本尊は村人の手で救出され現在地に運ばれ葦萱の御堂に安置して祀られました。
本尊と一緒に持ち出されたと思われる『前総持当寺三世三樂祖玄大和禅師』と書かれた位牌が残されているが、『天台宗』の堂々たる寺院であったとのことである。
今日、聖観世音菩薩を本尊とし薬師如来は脇本尊であるが、昔は薬師如来が本尊で傷病平癒に厄除けに霊験顕かであったことから山号は醫王山である。
『筑前国続風土記捨遺』
戸畑村に廃寺として諸書に載せられたるも左の如し。
「東光寺(町方)今小庵有りて、薬師物を安置す」
『戸畑村より藩に差し出された文書』
・天明六年(一七八六)二月
禅宗「東光寺」無住 本尊 薬師如来(座像)
脇侍観音 地蔵菩薩像 本村
・天保十四年(一八四三)卯三月
宗旨御改ニ付当村宗旨帳書載申人数
「東光寺」旦那男女各一名 計二名
等の記録が残っている。
『福岡県地理全誌巻乃五十』
小堂四所観音堂。畑。地蔵像。古東光寺。薬師堂。
二所(城戸。本村)廃寺̪址(本村ノ内町方)地蔵堂あり。
◆JR戸畑駅北口より徒歩7分。
◆若戸渡船 戸畑渡場より徒歩3分。
◆駐車場有り(約12台)